お世話になっております!
丸山工務店 丸山拓也です!
今週は楽しみにしていたセミナーがありました。
普段お付き合いさせていただいている茨城県の先輩工務店の大竹俊光さんが講師を務めて、木造住宅倒壊解析ソフトの『ウォールスタット』を解説付きの実技講習です。

ウォールスタットは京都大学生存圏研究所の中川貴文教授が考案されたもので、HPにはこのように載っています。(一部抜粋)
『wallstatはその研究成果を、木質構造を専門とする研究者・技術者の方々が使えるように改良したソフトウェアです。 wallstatを使えば、パソコン上で木造住宅の数値解析モデルを作成し、振動台実験のように地震動を与え、 最先端の計算理論に基づいたシミュレーションを行うことで、変形の大きさ、損傷状況、倒壊の有無を視覚的に確認することが可能です。』
振動台実験とは、多くの方が一度は見たことあるもので、研究所で実物の建物を揺らして耐久性を確認する実験です。

規模が規模ですので莫大な費用と時間が必要になるのですが、ウォールスタットはその実験を基にパソコン上でモデルを用意して過去の震災の揺れ方を再現して机上で根拠のある耐震診断ができます。
説明が長くなってしまいましたが、講師の大竹さんは震災による死因で圧死の割合が多いことや、1980年以前の耐震基準が施工される前の構造強度が不明の住宅で住まわれている方はいつも危険と隣り合わせでいるのと同じだということから、もともとは耐震改修の依頼ではなくても耐震改修の必要性を理解していただくための根拠としてウォールスタットを利用されていました。
現状を入力して倒壊の判定が出てしまい、南海トラフや首都直下地震が起きた時に恐らく倒壊して住み続けられることができないかもしれない。
家族が離れ離れになってしまうかもしれません。
最悪の事態になることが確実ではないとしてもそれを伝えることは大きな壁に感じます。
築40年以上前建物で基礎の傷み方が目立つようであれば耐震診断を勧めてみるものの、もし提案する計画の予算がやり繰りできなければ現状を知ってしまったがために不安を抱えさせてしまうことになります。
大竹さんは、自分の携わるお家でご家族を死なせなくない、提案しなかった後悔をしたくないという思いがとても強く、その思いがプレゼン資料に映されていました。
その動きをとる責任をしっかり理解されて、お客様と真剣に構造について話し合う覚悟を持たれていました。

空き家が増えて問題になってくることが予想されますが、その空き家が新耐震基準ではないとなると、問題は更に深刻になります。
私たちは実務者として確かな情報を得てお客様へ提案していくべきだと考えています。
臨機応変な対応は必要になるかと思いますが、迷った時には、理念に問います。
それが今回大竹さんから学ばせていただいたことの僕なりの解釈です。
私たちを信頼していただける方たちの暮らしを守り、家族の幸せを提供できる会社を引き続き目指していきます。
今週も最後まで読んでいただきありがとうございました!

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